日本全国からライバルが

日本全国からライバル進出 イオンライカム後の飲食業界

今回は、ちょっと固い内容で書いてみました。日頃飲食店様とお取引をさせてもらっている立場から「沖縄の飲食店経営を取り巻く環境」について書いてみました。あくまで、当社で飲食店をやっているわけではありません(笑)しかし、その分客観的に考えられるつもりです。またお取引先の飲食店から貴重な情報が入ってきます。沖縄の昔からある飲食店として、食堂やお弁当屋さんにフォーカスして書きます。30~40代の人にとって青春の1ページはいつだって食堂かお弁当屋さんですごした時間です。きっとそうです。特に高校の時は、毎日のお弁当の選択でその人の個性が出ました。
①250円のお弁当と100円のそばをコンボする「ガッツリさん」
②300円のスープつきお弁当を優雅に食す「セレブリティさん」
③150円のシンプル弁当ですませる「お腹すかないの?さん」
ちなみに僕は①と②を交互にやってました。部活を引退した後、ガッツリさんを続けるとあっという間に太ってしまったのもいい思い出です。

沖縄の食堂やお弁当屋さんの今現在の競合先

沖縄の古くからあるお弁当屋さんや、食堂屋さんは年々商売を畳む人が増えてきました。当社のお取引先でも5,6年で20社以上あります。考えるに理由は2つあります。

①内地からの飲食チェーン進出

②コンビニエンスストアの増加

①についてはガスト、吉野家、すき家、丸亀製麺、牛角、天下一品、大戸屋等が挙げられるのではないでしょうか。今後さらに沖縄の飲食店は本土の大手チェーンとの競争が激化していきます。なぜなら、沖縄は少子化の日本の中で人口が増えている数少ない県だからです。年少人口(0~14歳)も多く、それに目をつけた西松屋が進出。内地のチェーン店からすれば、「日本で数少ない魅力のあるマーケット」という事になります。
日経新聞にも、「〇〇が沖縄進出」という記事をよく見ます。観光客流入数も好調です。中国人観光客が増えているのは、新聞で見るまでもなく、外に出かけると実感できるレベルです。

②コンビニエンスストアについては、あまり競争相手と認識されていない飲食店も多いと思いますが、コンビニは強力なライバルです。店舗数が多く、食事以外の用事も済ませる事ができ、次々と新商品がお店に並びます。惣菜も用意しており、昼食時の需要も取り込んでいます。特に最近の中学生、高校生は学校近くの弁当屋さんよりも種類が豊富で立ち読みもできるコンビニで弁当を買う傾向が強いです。

ここ10年のこうした流れで古くから営業しているお店は厳しい現状に直面しています。では、これから業界はどうなっていくのでしょうか。

まさに胃袋の掴みあい!激化する生き残り戦争

上述したように、今後も内地からの出店攻勢はあると思います。コンビニはおそらく、というかかなりの現実味を持ってセブンイレブンさんの進出があるでしょう。その中で、有効な対策が打てずにいるお店も相当数あると思います。ちなみに、セブンイレブンさんの一日の平均売り上げは66万円です。ファミリーマートさんが50万円、ローソンさんが53万円という数字を見ると、いかに強力なライバルが進出してくるかがわかります。

 なぜ、セブンはビッグデータ分析する他社より日販が高いのか?

さらには、今後イオンライカムもできるため、ここに初出店したお店が「なんだ沖縄でも結構いけるじゃん」となれば、2店舗目、3店舗目を出してくるでしょう。
[ライカムに入った沖縄初進出の飲食チェーン]

ライカム飲食1

ライカム飲食2

ロイヤルホスト

イオンライカム写真

お店らしさと専門店化

沖縄の市場については、いったん置いておいて、今度は沖縄の飲食店のお店づくりについて書きます。現在、飲食店に限らず、注目されているのが、ブランディング戦略です。なぜブランディング戦略が必要なのか?それは、日本の消費社会が成熟しているからです。「とりあえず欲しいもの」は、すぐに手に入る社会です。高度経済成の時は、物が不足している社会だったので、作れば消費されました。しかし、今は状況が違います。例えば、「沖縄そばを食べたい」と思えば、近くの沖縄そば専門店のいずれかに行ってもいいし、コンビニでカップ麺を買う、もしくは、スーパーで出汁と麺を買って家で作るという選択肢があります。そもそもこの3つのお店自体、小さなエリアにいっぱいあります。要するにいくらでも選択肢がある状況で選んでもらう必要があるという事です。その中で、個性を演出する事が大事になりました。お店らしさ作りとは、お客様にお店を良いイメージで覚えてもらうための工夫です。飲食店であれば、どんなお客様にどんなイメージのお店として覚えてもらうかを整理し、一つ一つ工夫していきます。お店作りやブランディング戦略については、長くなってしまうので、いつか書きます。とりあえず、お店らしさを作り上げる必要がある事を覚えていてほしいデス。
それとは違う話で「専門店化」が一つの流れになりました。
専門店化とは、いわゆる食堂やレストランとは違い、〇〇専門店のお店が増えたという事です。ラーメン店、うどん店、丼物屋、回転寿司、焼肉店などなど。みんなで集まってよくある会話に「お昼、何食べたい?」があります。「ラーメン」などとなれば、専門店の中で判断を下す事になります。

専門店化のメリット

専門店化する事のメリットは2つあります。
①前述したように、〇〇屋さんというイメージで覚えてもらう事ができる。
②オペレーションや仕入れの効率化を図れる。

お店そのものを覚えてもらう。という目的を達成するために、専門店という業態は適していいると思います。先ほどの会話のように、
「何食べる?」
「うーんじゃあカレー」
「この近くに、カレー屋さんは2件あったけど、どうする?」
という流れになりやすいからです。②のメリットもあります。幅広いメニューを準備するレストランや食堂だと、仕入れも複雑になり、調理の難しさも出てきます。こうした事から長らく、飲食店の専門店化が主流になっていました。検索にかける時でも、その地域と〇〇店で検索します。「北谷町 ラーメン屋」「那覇市 居酒屋」等です。もちろん先ほどの沖縄そばの例にあるように、同じ専門店自体が多いと、効果は薄くなります。

あくまで綺麗に!立派に!そんなお店が増える訳

また、設備投資の増大化もあります。開業時にお金をかけて、店の外観や内装をリニューアルしようという事です。前述したように、本土から大手チェーン店がどんどん押し寄せてくる中で、それに対抗するための流れだと思います。店舗は「よりきれいに、より立派に、よりお洒落に」という流れです。
北谷でいうと、美浜地区のデポアイランドの飲食店とか、顕著です。
デポアイランド

 

ここまでの内容を整理

ここでいったんこれまでの内容を整理します。ちょっと自分でも書いててよく分からなくなってきました(笑)

・沖縄の昔ながらの食堂お弁当屋さんが廃業してきている
・競合先が変化しており、飲食チェーンやコンビニが強力なライバル
・予想される今後のライバル(イオンライカムやセブン)
・成熟市場でお店らしさをどう作っていくかがとても重要
・大手はお店らしさを構築するために、〇〇専門店を作り、内装や外装が綺麗でオシャレなお店を展開。

こういう流れでした。そうでした(^_^;)

今だからこそ見直されるべき食堂やお弁当屋さんの魅力

それでは、今後食堂やお弁当屋さんは厳しいのでしょうか?やってはいけない業態なのでしょうか?
僕は違うと思います。まずは先ほどのカレーの下りですが、ああいう会話は休日の会話です。忙しい平日は「何を食べるか」というよりも、「とりあえず食べる」が多いです。その中では、「とりあえず行ってから何を食べるか決める」という食堂やお弁当屋さんの需要は多いです。あそこに行けば何でもあるから、行ってから決めよう。となる事が期待できます。また、最近では専門店が多くなり、〇〇屋さんでも、あまり珍しくなくなってきました。逆に、昔ながらのお店が目立ち始めていると感じます。
凝ったものではなく、平日になにも考えずに行けるお店の選択肢として、食堂やお弁当屋さんがあるのではないでしょうか。もちろんお店自体の魅力が無ければ、平日も厳しいし、魅力があれば当然休日の集客も期待できます。

お店らしさの追求

沖縄の飲食市場を見た場合、町中に専門店が多くなってきました。そこであえて食堂やお弁当で商売するというのは実はありじゃないかと。そこで考えるべきなのは、「どんなお店を目指すのか」というお店らしさの追求です。例えば、ちょっとお洒落なカフェのような、今どきの食堂を目指すのか、それとも、昔ながらの食堂のイメージでいくのか、それとも、ガッツリボリュームを出した男らしい食堂にするのか、等組み合わせで色々な食堂のイメージができてきます。ここで、声高に言いたいのは、開業時の初期投資額が過剰にならないようにするという事です。開業時にはあれもこれもつけたくなり、結局予定していた投資額より大きくなりがちです。しかし、お店らしさの実現を必要最低限の投資でクリアすべきです。確かに大手チェーン店の内装や店構えは綺麗です。しかし、「昔ながらの食堂のほうが入りやすい」というお客様も相当数います。綺麗なお店が溢れかえっている今の状況なら、なおの事です。コンクリートの床、年季の入った机、椅子、シンプルなメニュー表、もしくは壁一面に貼られたメニューでも、ちゃんと清潔感があり、お店らしさが体現されていれば、お客様は来ると思います。
上間弁当

沖縄の飲食店経営についてまとめ

確かに、年々昔ながらのお店は減ってきています。しかし、そこら中にライバルが増えた現状でも、きちんと利益を出しているお店はあります。結論としては、これからも食堂やお弁当屋さんは生き残っていくと思います。大切な事は、沖縄の飲食店市場にどういう流れあるかという事を掴んでおくことだと思います。そして自分のお店はどういう方向にかじを切っていくかという事を徹底的に考えるべきだと思います。

あと、まったく関係ありませんが、当社が所属している「北谷町商工会青年部」の勧誘ムービーを僕が作りました。良かったら見てやって下さい(笑)

 

 


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