お米の現場を知るため、4日間だけお弁当屋さんしてました。
更新が滞るのももはや当たり前になってきました、、(笑)夏のせいです。インドカレーを作りすぎたからです。
ただし、仕事をさぼっていた訳ではございません。ちゃんと新しい事にもチャレンジしていました。
60年、、、、お米を飲食店に運んできました。
しかし実際に飲食店をやった事が無いため、そのお米が使われている現場をもっと知りたいと思っていました。
そんな中、お取引先のお弁当屋さんが慢性的な腰痛のために一時的にお休みするというお話が。
そこで、オーナーに頼み込み、4日間だけお弁当屋さんをやってみました。
僕と社員2人で。
素人2人で。
実際に食材の調達から調理、販売、後片付けまで自分たちだけで一通りやってみる。そこから何かが見えてくる、、、、ような気がした次第です。(笑)
まずは、、何作ろっか?
勢いで言ってみたものの、実際何を作ろっかっていう話です。さすがに素人2人でバリエーションに富んだお弁当を作れるとは思いません。丼物でやろうと。
で、いつもお世話になっているクックパッド様で探しました。
鶏の照り焼き丼と豚のしょうが焼き丼に決定。
素人がお弁当をやるにあたっての準備
とりあえず、食材や調味料が無い事には始まらないので、その買い出しからです。丼もの2種は、15人前ずつ作る事に決めました。
クックパッドの2人前が300gだったので、ざっくり一日2kg買っておけば大事だろって事で購入。4日分を考えて10kg買いました。豚肉はとりあえず2kgにしてみました。だいたい8,000円くらいだったと思います。あとは必要な調味料を購入。自分が鶏肉10キロを買う日がやってくるとは、、(笑)
あとは、丼容器も必要ですよね。業務スーパーで購入しました(^^)調味料、食材等でざっくり1万5千円くらいだったかと。
いざ、オープン!素人弁当&スピード炊飯
当日はお店の前に八時集合。オーナーさんからも素人2人で作るには八時はギリギリかな〜と言われていたので、急がなくてはなりません。さっそく調理、、、、ではなく、洗い物からです。、、、、、、「えっ前日に洗ってなかったの?」と思いましたか?いいえ違います。
飲食店では調理した後はもちろん、調理前にも器具を洗います。衛生面への配慮です。
とにかくまずは米を炊きはじめる必要がありますよね?
そのためまずはザルと炊飯ガマを洗います。
その後ボウルの上に重ねたザルにお米五キロを一気に投下!もはや計量の概念はありません(笑)
ちなみに150グラム=一合なので、5キロ=33.3合になります。
お弁当屋で見たこんなお米の研ぎ方がッ
その後お米を研いでいくのかと思いきや、、、。オーナーが取り出したものはホースでした、、、、。
「えっ、、、オーナー!?何を、、、」
「渡慶次さん、うちはこうやって研いでいるんですよ」
おもむろに床に置いたザルに対してホースから水を注いで行きます。
「昔ガス屋さんに勤めていたんで、お米を炊飯する設備も取り扱ってたんだ。で、その設備の中は水流でお米を洗う仕組み。だから、ホースの水圧で洗っても問題無し」
「!!」
そう言いながら水を注いでいきます。すぐにザル上げし水を切ります。それを3回ほど繰り返します。※ちなみにボウルの上にザルがあるので、お米が床に直接触れる事はありません。
これで米研ぎは終了。
次に炊飯ガマにライスネットをセット。ライスネット自体はやらなくても炊けるのですが、カマに直接お米がつくので後片付けが難儀になります。
ライスネットを設置したカマに先程洗ったお米を投下!
水加減は手を広げて米の上に置き、手の甲が水に沈む直前まで入れます。
ちなみに炊飯ガマの目盛りを使わない理由を尋ねると、炊飯ガマを置いているテーブルも傾いてるし、上手く炊けた試しがないからとの事。
うーん現場ならではの声。
その後炊飯スイッチオン!
「あっ、、水に漬ける時間は取らないんですね、、、」
「ちょっと今日時間的に詰まってるから、省略します。本当はやった方がいいよね〜」
ご飯が炊けるのを待つまでにおかずを作っていきます。
へ〜15人前ってこうやって作るんだ~(ケンミンSHOW風)
まずは照り焼き丼から。
ステンレスのトレイに2キロの鶏もも肉をぶちまけます。もちろんトレイは直前に洗ってあります。そこに片栗粉をまぶしていきます。片栗粉をなじませていく作業は手作業ですが、手にはビニール手袋をはめて行います。次にフライパンを温めていきます。もちろんフライパンも直前に洗って、、、ってしつこいですね(笑)とにかく使う物を直前に洗うっていうのは必ず行うので、以降省略します。
フライパンに油を入れ、鶏もも肉を焼いていきます。焼いている間に合わせ調味料を作ります。
2キロ分の鶏肉を焼いているので、合わせ調味料の量も2,000÷300=約7倍 の量で混ぜます。醤油、砂糖、酒、みりんをレシピの7倍の量で混ぜていきます。このレシピだと醤油は大さじ14杯とかになります(笑)大さじ一杯ずつ量りましたが、意外と5分くらいで終わりました。合わせ調味料が完成(^^)
鶏肉が焼けたタイミングで合わせ調味料を投下。強火で絡めたら完成。フライパンの容量的にどうしても600グラムずつぐらいしか焼けないため、焼いてはフライパンを洗い、焼いては洗いを繰り返します。結構大変です。これで照り焼きが完成。
生姜焼きも同じ流れで作りました。
いよいよ完成!照り焼き丼
いよいよ完成に向けて動きます。既にご飯は炊けています。おかずは完成しました。器に盛っていけば完成です。時間は11時ジャスト。結構ギリギリ(笑)
蒸らし時間も終わっているので、お米を取り出します。ライスネットでお米を引き上げて、例のステンレストレイに置きます。その後、ライスネットを引っ張りながら、トレイの上でほぐします。ラップした後、予熱を取っていきます。というか、保温ジャーを使わないんですね!
これまでは飲食店では炊く⇒保温ジャーにぶち込むという工程を必ずしていると思ってました。余熱が取れた段階で、ビニール手袋をはめて、手作業で丼にご飯を入れていきます。
「しゃもじでやるより、こっちの方が早いんだよ~」との事。
そうなんだ、、、。実際やってみると確かに早いです。しかもよそう時に指でご飯をほぐしながら、いい感じに空気を含ませる事ができます。丼30食にご飯をセット完了。
続いて、照り焼きとマヨネーズ、紅しょうがを入れていきます。生姜焼きも同じようにセットしました。
かん、、、、、せい、、、、。
あとはお客様を待つだけでございます。
飲食店の現場はとにかく掃除っ
お客様もまあまあ買っていって頂き、ほっとするのもつかの間、、、。お店を閉める前に掃除は当然です。今日使った調理器具。フライパン、トレイ、木べら、炊飯器(ちなみに炊飯器は炊いた直後、結構がっつり洗ったあと、水に漬けています。こうしておかないと、ご飯が固まったらとんでも無いことになるからだそうです。)それらを洗っていきます。
さらに今日使っていない調理器具。ガスコンロについては一つの火口しか使わなかったのですが、全て水洗いします。テーブルも拭き、床もデッキブラシでガッリガッリいきます。
お米の保存をやって帰ろう
余ったご飯の保存をしたら、後は帰るだけです。早く帰りましょう。先ほどのトレイのご飯から、再びビニール手袋でチャック付きビニール袋に入れていきます。だいたい1.5合くらいでしょうか?本当にだいたいで入れていきます(笑)ちなみ普通のビニール袋でも大丈夫です。写真だとわかりにくですが、チャックはしっかり閉じ、袋の余った部分は反対方向に折り曲げます。こうする事でお米の蒸気を閉じ込めます。
これを5、6袋作って冷蔵に保存しました。お米屋として、いつもは冷凍をおすすめしています。家庭でご飯を炊く場合も、冷凍保存がセオリーです。ただし、オーナーさんからも、明日食べるのであれば、冷蔵で大丈夫との事。半信半疑で帰ります。
弁当2日目。意外といける!お米の冷蔵保存。
さあ2日目です。前日のお米を使えるので、今日はお米を炊く必要は無いとの事。そして今日はオーナーさんは作業を行わず、見ているだけという事になりました。自分たちだけで一通りやってみる事で、よりリアルな現場を体験します。昨日と同じように、使う予定の器具を洗い、おかずを作っていきます。
初日は、照り焼き丼15食+生姜焼き丼15食を用意したのですが、どっちもコッテリしているので、最後まで食べ進むうち飽きてしまうと思いました。そこで、2種類の商品を作るのではなく、1種類の丼にしてコッテリのおかずとあっさりのおかずを入れる事にしました。
初日と同じように、鳥モモ肉の照り焼きを作りました。あと食材は豚肉しかないので、梅ダレ味がある事をクックパッド先生に教えてもらい、これに決定。しかもこのメニューは鍋に水を入れて一気に茹でることができるので、鳥モモよりも早くできました。茹でたあとは、トレイの上で合わせ調味料となじませておきます。
さっぱりしててかなり良かったです。
前日のお米活用法
前日冷蔵したお米を取り出します。で、昔ながらのターンテーブルみたいなやつが回る電子レンジで温めていきます。今思えば、前日の袋に入れた1.5合くらいの量はこのターンテーブルに乗るギリギリの量だったわけです。ちょっと多く入れすぎた袋だとターンテーブルが止まってしまい、量を減らす手間を強いられました。この事を考えると、ひと袋当たりの保存料は本当に適当でいい事になります。解凍時のレンジの容量で決めていけばいいのです。
このお店だと、500ワット×2分を両面行うという作業でした。食べてみると、冷凍と遜色無い仕上がりになっていました。驚きです。
お弁当屋さんで知ったお米の炊き方まとめ
今回思った事はお米の現場では、基本的な炊き方を抑えながら、飲食店ごとにオリジナルの方法を作り上げる事の大切さです。
このお店では、研ぎ方、計量、ジャーを使わない等、色々な事が想像と違いました。しかし、それでも機能していたし、時間短縮にもなっていました。
オーナーさんは早くやるために試行錯誤してこのやり方になったと言ってました。特徴をまとめると以下になります。
①お米を洗う方法はホースという方法もある。
②トレイに移しながらほぐすという方法もある。
③保温ジャーを使わないという方法もある。
④トレイから手作業でご飯をよそう方法もある。
⑤ビニール袋で冷蔵保存する方法もある。
⑥電子レンジで温める方法もある。(これは量によって変化)
という内容になります。〇〇という方法もある。と書いたのは、全ての店であてはまるとは限らないからです。ちなみにこのお店では一週間に80キロ〜100キロくらいのお米を消費していました。お店の規模なども参考して頂きたいです。
あとは、、、お弁当屋さんをして思ったのは、、、片付けめちゃくちゃ大変ですね。それがわかっただけでも収穫でした。今度は上間弁当さんに酢飯研修行ってきます。
それではまた。
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