飲食店の法律対策~社労士セミナーに行ってきました~
今回は、飲食店が守るべき法律について書きたいと思います。職場のルールを整備し、訴訟リスクに備えましょう。
今回東京で社会保険労務士をされている小泉先生の「職場のルール作りセミナー」に行ってきました。東京で活躍されている先生
のようで、本も出版されています。(なんと沖縄のファミマで売ってます!)
セミナーを終えての感想は、、、、、
大変有意義でした!テーマは、就業規則をないがしろにする事による飲食店の法律リスクと、就業規則を整備する事によるメリットについてでした。
当社では就業規則は一応あるものの、20年前から変わっていません。そもそも、就業規則がある事は知っていても、普段忘れています。
今回のセミナーでは、就業規則がなぜ重要なのか?
どのように就業規則を作っていくか?
という事を教えて頂きました。
まずは飲食店が法律を守るためになぜ就業規則が必要なのか?というテーマについて書きたいと思います。
残業代時間差請求ブームによる法律リスク
数年前から流行の法律サービスがあります。
「過払い金請求代行サービス」です。
違法な金利を設定していた金融会社から、本人に代わって払いすぎた金利を回収するというサービスです。
裁判所の判決で、違法だと決定してからは、弁護士や司法書士さんがこぞって宣伝合戦してきました。
これまでの請求ブームにより、違法性のある金利ついては、あらかた回収できたようです。
その後の法律ブームとして動きだしているのが、「残業代請求代行サービス」です。
セミナーでは、どのように残業代を請求されるリスクがあるのか?という内容のDVDを見せて頂きました。
ストーリー仕立てになっており、架空の社長さんが、弁護士さんに相談に来るところから始まります。
社長 「うちで3年程働いていた、〇〇という奴がいるんですが、辞めた後、内容証明を送ってきて困ってるんですよ~」
弁護士 「どんな内容だったんですか?」
社長 「うちで働いていた3年間で、支払われるべき残業代を請求するという内容でした」
弁護士「おいくらでした?」
社長 「180万円でした」
弁護士「それは大変ですね、、ところで、御社には就業規則にはありますか?」
という流れで始まっていきます。
このようなやり取りは実際あるようです。
今、東京では「あなたの残業代請求を代行します!」という広告コピーで盛んに宣伝が行われているそうです。
それにしても、急に180万円もの金額を請求されると、びっくりしますよね(汗)
リスクを避けるためにも、あらかじめ就業規則を作っておくことが大事だという事です。
ちなみに、裁判では、タイムカードの写しや、働いていた本人の勤務時間を書いたメモや日記等が証拠として有効になる場合があるそうです。
飲食店の独自の理念を文章にする、就業規則の作り方
教えて頂いた就業規則の作り方は、、、
① 社労士にお願いし、一緒に作ってもらう。
② 自分で本などを参考に作る
③ ネットで調べてそれを元に作る (「就業規則 ひな形」等で検索)
ポイントは、①の専門家に頼んだ場合でも、「一緒に」というスタンスである事です。
就業規則の前提として、その会社の理念に基づいた就業規則を作りあげるという事です。
どこかの会社の就業規則をそのまま使ったり、本に書いてある事を何の修正もなしでは、意味がありません。
小泉先生が依頼を受けた場合、する事は社長のヒアリングです。
「社長の経営理念は何ですか?」
「社長が従業員の方に一番やってほしくない事は何ですか?」
ある歯医者さんでは、「当医院の、理念はお客様第一です。そのため、受付のミスでダブルブッキング
してしまうと、余計な時間をお客様に使わせてしまいます。それがとても嫌です。
当医院では同月内に2回以上ダブルブッキングのミスを犯した場合、辞めて頂くという規則を作りたいです。」
という話があったそうです。
これは、法律上その事で本当にクビにしてしまっていいかどうか、という問題はあるそうですが、着眼点が凄くいいと思います。
会社の理念を文章にする⇒常に覚えていてもらう。
そのためにはどうすればいいか?
具体化する事です。
「〇〇を〇〇すれば〇〇になります」という風に具体的に決めてしまえば、日頃のルールとして定着しやすくなります。
「お客様を第一に考えましょう」というだけの規則だと、日頃の忙しさの中で忘れがちになります。
飲食店が就業規則を導入する際の注意点
急に「今日からこの規則でやってもらうから、よろしく」だと、現場に混乱が生じます。
反発もあるでしょう。
規則を設定する時は準備期間を置きましょう。
「再来月からこの規則ができるので、よろしくお願いします」というワンクッションが必要です。
飲食店が法律遵守のために併せて整備したい書類
法律リスクを避けるために、就業規則と一緒に整備すべき書類があります。
①身元保証書
②機密保持契約書
③誓約書
身元保証書は、入社時に徴収する書類です。万が一入社後に当人が行方不明等になり、会社に損害を与えた場合、
身元保証人に連絡を取り、 今後について話し合う事ができます。
機密保持契約書は、会社の情報や、仕事をする上で取得した情報を、外部に漏らさないという契約書です。
最近は会社で不道徳な写真を撮り、ツィッター等で公開されてしまうリスクがあります。
そのためにも、必要な書類です。
誓約書は、「私は、就業規則を守ります」という内容の書類です。
ただ、一方的に就業規則を示すのではなく、署名をもらう事で、労使合意のもと、就業規則を運用していく事ができます。
目的は、飲食店と雇用者のトラブルの防止と法律リスクの回避です。就業規則を整備し合法的な運営を行いましょう(^^)
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