斬新なお米ギフト箱がお中元からデビューします
沖縄では、贈ったり贈られたりする事の多い、お米ギフト。お中元、お歳暮、出産祝い、引っ越し祝い、等々。当社では、15年以上前に作られたお米ギフト箱を使い続けていました。
なので、この度新しくする事にしました。
(↑15年使用していたお米ギフト箱。悪くはないんですが、、、うーん)
また、当社の名刺やパッケージについて、「どんな感じで作ってもらってるの?」「デザイナーさんにどうお願いするの?」等のご質問を頂く事が多くなってきました。
そこで、今回のお米ギフト箱がどのように作られていったかをまとめてみました。
会社案内やメニュー、ウェブ等のリニューアルを考えている方は参考にして頂けたらと思います。
デザイナーさんとの初回打ち合わせ
基本的には、ギフト箱のデザインは制作を行うダンボール屋さんに依頼するのが普通です。
しかし、デザイナーさんに依頼しました。
ダンボール屋さんだと、他のお米屋さんのデザインもやっているため、固定観念ができ、斬新なデザインが生まれにくいという懸念があったからです。
ただ、今回いつも仕事をお願いしているデザイナーさんが多忙を極めるという事で、AYATORIさんというデザイナーさんを紹介頂きました。
土台が無いと良いのができません
一応、デザイナーさんと打ち合わせを行う前に、自分でノートに書き出し、みっちり考えを整理するようにしています。だいたい1時間くらいはかけます.
デザイナーさんは「とりあえずカッコいいの作ってよ」とか、「斬新なやつ頼むよ」などのアバウトな依頼だと困ってしまうそうです。
よくデザインで誤解を受けるのが、「感性でやってる」とか「勝手にデザインが降ってくるんでしょ」ってやつらしいです。
しかし、デザインは商売のためのものです。
まず企業側の土台があって、それにマッチしたものを作ってもらいます。
デザインの土台
①商売の仕方
②会社のコンセプト、カラー
③デザインを適用するアイテムの目的・方向性
を伝え、それを土台にデザイナーさんと意見交換をしていきます。つまり、こちら側にある程度はっきりした考えが必要です。
今回のお米ギフト箱について僕の要望としては、
①他社とは違うデザイン
②当社のホームページへの案内するスペースを作る
③これまでの名刺、価格表、会社案内との統一感
④様々なシーン(お中元、出産祝い等イベント)で使い回せる
⑤2種類作ってほしい
この中で、一番重要なのは、③の統一感です。これまでのアイテムと違うトーンのデザインだとイメージが変わってしまいます。ちなみに、当社の会社案内はこんな感じです。
こんな感じで、紺色をベースに落ち着いています。
また、②のホームページの誘導については、下のようなパソコンの画面までギフト箱デザインに入れ込んでしまうもので、自分でお願いしておいて、「無茶じゃないかな~」と内心思ってました。
そういった要望をお話ししていくうちに、
「和風柄に振り切る事で、他社には無いデザインになるのではないか」
「以前作った米袋用の和柄デザインをアレンジして2種類にしよう」
「できるか分からないけど、ウェブへの導入を入れたデザインも作ってみます」
という方向になり、初回の打ち合わせを終えました。
一人ミーティング
自分で書いていても中々寂しい響きのある言葉です。
デザイナーさんと打ち合わせの前に考えを整理すると書きましたが、打ち合わせが終わった後も行います。打ち合わせ中は議論が盛り上がって、「これはいい感じになりそう」と思っていても、いつのまにか本来の目的からずれてきている場合があります。それを、デザイナーさんが帰った後に検証します。
また、「ここにくるべき言葉を考える」「統一感のあるネーミングを考える」等、デザイン以外の宿題が依頼者側に生まれる場合もよくあります。今回は2種類の箱を作る事になったので、僕の宿題は「これまでの商品名と統一感のあるお米ギフト箱の名前を2種類考える」というものでした。
当社の業務米の名前は
きずな米
こだわり米
らくらく無洗米
いちおし銘柄米
からだ玄米
等、ひらがな+米 という組み合わせに統一しています。なので、お米ギフト箱の名前も同じ組み合わせにする必要があります。ギフト箱はお中元やお歳暮等、人と人のつながりの中にある商品なので、
「ゆかり米」
「むすび米」
という人との関係性を意識した名前に決めました。
初回お米ギフトデザイン案
こんな感じです。
表面、裏面共に、見たことのないデザインです。しかし、やはりお米ギフト箱にホームページへの誘導を入れた裏面のデザインはちょっと目的と違うかなーと思い、この段階で両面同じデザインで行く事にしました。ちなみにもう片方の箱の案はこんな感じ
お米ギフトデザイン修正打ち合わせ
上記のお米ギフトデザイン案を踏まえて、修正ポイントを話し合っていきます。
①船デザインのお米ギフト箱について
「背景の模様が波なのか、雲なのか少しわかりづらい」→「はっきりした雲に修正」
「お米のとけしのロゴを追加」
②月デザインのお米ギフト箱について
「真ん中の月に色が無いため、月っぽくない」→「月の中にトーンを合わせた黄色を足す」
さらに、2つとも、日本画っぽい仕上がりになるため、「◯◯◯風景図」のような、絵のタイトルっぽいロゴを入れたほうがいいんじゃないかという修正案が出てきました。
そのため、「◯◯◯風景図」を考えるのは僕の宿題にもなります。
修正後お米ギフト箱デザイン案
↓箱の展開図A・B
この時点で横面のデザインも修正が進んでいます。
絵のタイトルは、
「同釜ノ米飯風景図」←おなじかまのめしふうけいのず(船)
「美味米食事風景図」←うまいしょくじふうけいのず(月)
絵の雰囲気で決めました。それぞれのデザインに入れてます。
かなりいい感じになってきたので、社内で意見を募り、すぐに発注しようと思いました。
社内調整は早めがいい件
ここで、社内意見を募るため、デザイン案をプリントアウト。さらに、デザインのコンセプトを一枚紙にまとめて、下半分にメモスペースを作ります。
「ご意見あればこの下のスペースに書き込んで下さい」という一文が入ってます。これらをクリアファイルに入れて社内回覧してもらいます。
この方法になったのは、ある程度一人一人時間をかけて見てもらい、忌憚の無い意見をもらうためです。どうしても、会議等で見てもらい、その場で意見をもらおうとすると、意見が出てこない事が多いです。時間が無い上に、みんなの前で発表するようなスタイルになるからだと思います。文章という形であれば、ある程度言いにくい事も提言できるという利点もあります。
今回の社内回覧では、、、
①2箱ともベース色が同じ紺色なので、片方の色を変え、区別させるべきではないか。
②紺色が強いと、主婦目線では、「香典」を連想する場合がある。
こういった意見が出てきました。正直、すんなり社内で通ると思ってたので、驚きました。また、香典が出てくるとは思いませんでした。
ただし、その2つを直接デザイナーさんにぶつけるのではなく、あくまで「じゃあどうするか」を考えるのは、担当者側の仕事です。意見を踏まえて徹底的に考える事から始めます。今回の場合、「色で区別がつくようにしてほしい」はそのまま伝えました。しかし、紺色については会社のイメージ色でもあるので、「どちらの箱にも紺は残してほしい。なので、紺の面積を減らして香典から離れ、色で2種類の区別がつくようにしてほしい」と依頼しました。
今回の反省点は早めに、最初のデザイン案で社内意見を募れば良かったなーと思いました。
ついに完成!最終形態のお米ギフト
デザイナーさんに迷惑をかけたお米ギフト案件もついに完成です(笑)色の変更だったので、修正に時間がかかるかと思ったのですが、すぐにレスポンス頂きました。しかも、かなりいい感じ!一発オッケーとなりました。
というわけで、当社の場合、デザイナーさんとの仕事はこんな感じで進んでいきます。
今まで、名刺、価格表、会社案内、DM、ウェブ、パッケージ(袋)をリニューアルしてきました。デザイナーさんとやり取りする中で、改善を繰り返し、現在のプロセスができました。自社アイテムにデザインを取り入れたいとお考えの方に参考にして頂けたらと思います。
あとは、段ボール屋さんがギフト箱をお中元に間に合わせてくれるかどうか、、、
頑張って欲しいー!
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2 Responses to “斬新なお米ギフト箱がお中元からデビューします”
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お中元用の米買いました。
箱のデザインとても良かったです。
いなみねさん~コメントありがとうございます(^^) 1