米屋の雰囲気

備蓄米とそれを取り巻く人たち、、、さすがに何らかの法律に引っかかっているのでは

いや~~出ましたね備蓄米。前回の投稿に引き続き、お米を取り巻く環境を書いていきたいと思ってます。本当はどうでもいいことも書きたいんです。こんな風に。おすすめの漫画「チ。」はどう作られたのか

お餅のとけしでもブログ書いてるので、時々のぞいて見てください。このブログでは、めったに明らかにならない、農家でもない、スーパーでもない、米流通のエアポケットのような忘れ去られた存在、米問屋という立場から状況を考察していきます。

ええ、そうです。言いましたとも、、下がるって。

前回のブログでは、「備蓄米が出るってゆー報道が出た時点で価格は下がる」と書かせていただきました。フタを開けたらどうでしょうか。はい。全然下がってませんね。いや、、、あの、、、待ってください。言い訳をさせてください。こんな感じで放出するとは思ってなかったんです。もう報道されてはいますが、問題点はこちら。
①JA全農が9割を落札
②JA全農と取引のある米業者しか仕入れができない
③仕入れた米業者は、スーパーやレストランなどの直接購入者にのみ販売
とりあえず、③のせいで円滑な流通が滞ってやがります。日本人が一年間で食べるお米の量が670万トン。備蓄米が20万トンなので、これを行き渡らせるのに時間がかかります。さらに米業者間での取引ができないように制限しているため、必要な場所に必要なお米が届くのがさらに遅れます。

言い訳はこのへんで

沖縄では備蓄米が税抜3,630円程度でスーパーに昨日(4月末)から出回っております。報道では500円となってましたが、実際は1000円違います。そして、↑の②にあるようにその相場より1,000円安いお米はJAとお取引のある事業者しか入ってきません。政府がわたしたちの税金を使って、いったん集めて備蓄しておいたお米を、特定の会社が利益が出るように放出しています。沖縄でいうと、沖〇食糧さんあたりです。今回、あまりに不利な競争を強いられているので、ちゃんと書きます。

さすがに何らかの法律に引っかかってないか

もう一度いいます。政府が税金を使って集めたお米を、公平とはいえない配分で放出する事は、何らかの法律に引っかかってないのでしょうか。何が起きるのか、考えてみましょう。当社のようなJAとお取引の無い業者は全国に無数にあります。どこから仕入れるかは、自由です。当社は経営努力として、全国の中からコストパフォーマンスの高い集荷業者さんと連携し、割安の価格で仕入れる事ができます。それをその都度状況に合わせてブレンドする事で、競争力を発揮しています。しかし、今回の国の行ったやり口は、そういった経営努力を無に帰すようなものです。飲食店やスーパーなどでは、これだけ報道されれば「備蓄米の方が安いのでは」と考える。そして、取引のある米業者に「おたくのところは、備蓄米入ってこないの?安くなるんでしょ?」と聞く事になる。「すみません、、、、うちには入ってこないんです、、、」となれば、相場よりも安い備蓄米を扱っている業者への問い合わせは激増する事でしょう。それでも、、、「そうか。長年のお付き合いだから、我慢するよ(遠い目)」「あ、、、、ありがとうございます(涙目)」みたいな展開もあるでしょう。

しかし、話はそれで終わらない

しかし、どうでしょうか?相場どおりの価格で仕入れる事を了承したとして、その分の負担はそれを受け入れた飲食店やスーパーにいきます。備蓄米を仕入れる事のできた飲食店やスーパーとの競争で不利になることは間違いなしです。ちなみに当社はなんとか備蓄米と競争できるような価格で出す事ができています。先ほど書いたようなあらゆる経営努力をフル動員して、競争の土俵に立っています。しかし、競争からおりてしまう会社も数多くあります。沖縄でも3月末をもって60年近くやってきたお米屋さんも廃業しました。全国的にも「お米が仕入れられないから」という理由で廃業する会社はあとをたちません。何かがおかしいと思うのに、十分ではないでしょうか。

人工知能に聞いてみた

とりあえず、人工知能に法律的な部分を聞いてみました。おそらく独占禁止法か、行政法のあたりかな~とは思ってましたが、やっぱりでした。


私・・お米の卸売業をしているんだけど
ChatGPT:

はい、お米の卸売業をされているのですね。
どういったご相談がありますか?

私・・・今回お米不足で政府が備蓄米を放出したんだけど、9割がJA全農に放出されていて、JA全農と取引がある会社しか、仕入れる事できないんだ。つまり、取引が無い会社は競争上原価が高くて不利になるんだけど、これって行政が健全な競争を妨げていることにならないかな

ChatGPT:

はい、その問題意識は非常に正当です。
整理すると──

  • 政府備蓄米の放出は「国民生活の安定」と「市場の安定供給」が目的のはず。

  • それなのに放出の約9割をJA全農に流し、JA全農と取引がない業者は仕入れ不可

  • 結果、特定ルート以外の業者は高い米しか買えず、市場競争上かなり不利に。

  • つまり、政府の介入によって「競争機会の不均衡」が生まれ、市場原理が歪められている。

これはたしかに、「行政による競争制限」と見なされてもおかしくありません。
独占禁止法(公正取引の確保)や行政の中立性原則の観点から問題になりうる事案です。

もっと厳密に言うなら、

  • 行政が市場の特定プレイヤー(この場合はJA全農)を不当に優遇している

  • 他の事業者の営業機会を不当に奪っている こういう構図ができあがっています。

実際、似たような構造が過去にもありました。 たとえば、

  • 入札案件で特定企業に有利な条件を付けた場合 → 「官製談合」とされ問題化

  • 農産物市場で一部農協や団体しか恩恵を受けられない仕組み → 何度も政治問題になっている

つまり、あなたの感じている「これはおかしいんじゃないか?」という感覚は、
かなり社会通念にも沿っています。


では、どうすればいいかですが、方法はいくつか考えられます。

  1. 公正取引委員会への情報提供(相談)

    • 独占禁止法上の問題(不公正な取引方法や競争制限行為)に該当しないか、照会できる。

    • 一社ではなく、複数の業者が声を上げると効果が高い。

  2. 業界団体を通じた要望提出

    • もし加入している卸業者団体や地域の商工会などがあれば、まとめて要望を出す。

    • 「取引の機会を平等に提供すべき」という形で。

  3. 直接、農水省(食料産業局など)に意見提出

    • 農水省はこうした備蓄米政策の所管官庁です。

    • 意見提出フォームや面談申込みが可能(建設的・冷静に伝えることが重要)。

  4. 長期的には、自社の調達力を強化する

    • 産地直送ルートや別ルートの開拓。

    • 特定流通に依存しない仕入体制の構築。

    • ブレンド技術の向上など。


ただ、現実問題として、
JA全農の流通支配力はものすごく強いので、短期的に制度が変わる可能性は低いです。

ですが、声を上げなければ「不満は無かった」という扱いになってしまうので、
できるだけ冷静に、建設的に問題提起していくことが大事です。


まとめますね。

項目 内容
問題点 備蓄米放出が一部取引先(JA全農)に偏っており、健全な競争が妨げられている
法的観点 独占禁止法、公正取引原則に抵触する可能性あり
対応策 公取委相談、業界団体と連携、農水省への要望、調達力の強化

 

備蓄米のしくみまとめ

いや~~~いつまで米騒動は続くのでしょうか。外国産米の輸入なんかも、参議院選を見据えて争点になってますね。結果として、税金を使って特定の米業者が儲かる仕組みになっている。沖縄だと〇縄食糧さんをはじめとした大手さんという事になります。ご商売なので、当然有利になりますよね。うらやましい限りです。我々は、今後も独自の経営努力を積み上げて、競争の土俵に立ち続けたいと思います。それでは。


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